確定拠出年金

確定拠出年金「個人型」と「企業型」の比較する

医療法人の理事長・理事におかれては、上手にお金を残すために、退職金制度の整備、投資信託や年金保険の利用など、様々な工夫をされていると思います。しかしながら、もし、確定拠出年金をまだご利用になっていないのであれば是非一度、検討してはいかがでしょうか?

確定拠出年金は所得税の対象にならない資金(*)で将来の年金の積み立てができる制度です。所得税率が高い医療法人の理事長・理事の方にはとてもメリットが大きい制度といえます。

(*)確定拠出年金(個人型):拠出金(掛金)は所得控除の対象
   確定拠出年金(企業型):拠出金(掛金)は損金(福利厚生費)

確定拠出年金は企業型と個人型(iDeCo)の2種類があります。医療法人の理事長・理事の場合は確定拠出年金(企業型)か確定拠出年金(個人型)のどちらかを選択して加入することができます。

ここでは確定拠出年金(企業型)と確定拠出年金(個人型)を整理して医療法人の理事長・理事はどちらの制度を利用したほうが良いかを検討する材料にしていただきたいと思います。

確定拠出年金(個人型)と(企業型)の比較(2018年10月現在)
個人型 企業型
掛金上限は23,000円(2号被保険者の場合)
掛金支払いは60歳まで。
個人の所得から掛け金を拠出(所得控除)
個人型の手数料がかかる 掛金上限は55,000円
掛金支払いは65歳まで。
法人から拠出。所得税の対象にならない。
社会保険の算定基礎から除外。
従業員も加入できる。
企業型の手数料がかかる

企業型は掛金の上限が大きいこと、加入期間を長くすることができることでより大きなメリットを得ることができます。また、職員の方も希望すれば加入できるので職員の方々の老後資金作りの一助に大きな役割を果たすことができます。

ポイント1 拠出上限は企業型の方が多い(2号被保険者の場合)

拠出金(掛金)上限は、個人型:23,000円、企業型:55,000円と企業型が32,000円/月に多く拠出できます。年間で384,000円、仮に20年間拠出する場合、768万円多く所得税をかけずに積立をすることができます。さらに2018年10月現在、企業型の拠出可能期間が5年多い点もメリットになります。

ポイント2 企業型の掛金は社会保険料の算定外

個人型の場合には拠出金は所得控除の対象となります。しかしながら所得そのものが変わるわけではないので社会保険料の額は確定拠出年金の拠出の有無によって変わるわけではありません。

一方、企業型は、拠出金は個人の所得から掛けるのではなく、法人から直接支払います。従って社会保険料が増えることにはなりません。ただし多くの場合、医療法人の理事報酬は社会保険料の等級が下がることはないと思います。

しかしながら従業員が加入した場合には、制度設計の仕方によっては社会保険料が減額(法人分・個人分とも)になることもあります。

ポイント3 企業型は従業員も加入できる

 
従業員が老後資金を準備できる制度を法人として提供することができます。最近は病院で確定拠出年金(企業型)に加入していた職員が転職してくるケースも多く、制度の有無について聞かれることも多くなってきているようです。

ポイント4 企業型の手数料は個人型より高いケースが多い

企業型のデメリットは、個人型に比べ手数料が高いことです。企業型の場合、年金規約を厚生局に提出するなど手続きが必要になります。窓口金融機関がこれを代行するので、そのための導入費用が必要になります。

まとめ

企業型は個人型に比べ拠出金額も多くなり拠出期間も長くなることから税制メリットは多くなります。また従業員に対しても年金制度を提示できることは採用難の現在ではメリットではないでしょうか?

一方、デメリットとしては導入コストがあります。対応する窓口金融機関によってこの手数料は異なりますので、コストを確認し、それに見合う税額軽減効果があるかどうかを確認して、企業型と個人型のどちらを利用するか検討してください。