確定拠出年金

確定拠出年金と税金。受け取り方によって税金はこれだけ違う!

確定拠出年金は拠出金が所得税の対象にならないメリットがありますが、受け取り時に大きく課税されてしまっては意味がありません。確定拠出年金の受け取り方は一時金受け取りと分割受け取りの2種類あります。一時金による受け取り時は退職所得として課税されます。

退職所得として受取ることは税金上、①退職所得控除、②1/2課税、③分離課税、の3つのメリットがあります。ここでは、退職所得として受け取ることのメリットを整理します。

退職所得の3つのメリット

①退職所得控除

退職金として受け取った場合には、退職所得控除の対象となります。

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円 × A (80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (A – 20年)

勤続年数によって退職金から上表の金額を控除できます。例えば、勤続25年の医療法人の理事の場合の退職所得控除の金額は以下のようになります。

800万円+70万円×(25-20年)=1150万円

②1/2 課税

退職金として受け取った場合には、収入金額から①の控除を引いた金額をさらに1/2にした金額が課税の対象になります。仮に1億円の退職金を受け取った場合、上記控除を差し引いた金額の1/2が課税対象になります。

③分離課税

さらに退職金は他の所得とは分離して課税されます。所得税は超過累進課税制度を取っているので、課税所得が大きくなるほど税率が高くなります。

退職所得のメリットを計算してみる

式に表すと以下のようになります。

(収入金額 - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

退職金のメリットを数字で確認してみましょう(住民税含まず)。

ケースA
年間2,000万円の理事報酬(課税対象)のドクターがリタイヤする年に理事報酬額を1億2,000万円に増額した場合

ケースB
2,000万円の理事報酬(課税対象)と1憶円の退職金で受取った場合

ケースAの所得税額
1億2,000万円×45%-4,796,000円=49,204,000円

ケースAにて税引後の手元に残る金額
1億2,000万円―4920.4万円=7079.6万円

ケースBの所得税額と退職所得税額
退職所得は分離課税なので、2000万円と1憶円を別々に計算します。

理事報酬に対する税額
2000万円×40%-2,796,000円=520.4万円

退職所得に対する税額
1億円-1150万円(退職所得控除)=8850万円
8850万円×1/2=4425万円(退職所得額)
4425万円×45%-4,796,000円=15,116,500円

税額の合計
5,204,000円(所得税額)+15,116,500円(退職所得税額)=20,320,500円

ケースBにて税引後の手元に残る金額
1億2,000万円-2032.05万円=9967.95万円

医療法人から理事長に移動した金額はケースA、Bともに1億2000万円と同額でした。
ところが、収入を理事報酬と退職所得に分けたケースBの税額はケースAに比べて28,883,500円少なくなります。

このように退職所得として受取ることは税金の上で大きなメリットがあります。