確定拠出年金

確定拠出年金の節税効果をシミュレーションする

ドクターなど所得税率が高い方にとって確定拠出年金の最大のメリットはやはり節税効果ではないでしょうか?確定拠出年金(個人型)は拠出金の全額が所得控除として年末調整や確定申告をすることで還付を受けることができます。

また、確定拠出年金(企業型)の場合は、医療法人が支払った掛金(拠出金)は所得税の対象になりません。従って、確定拠出年金を利用することで、法人から非課税で個人の確定拠出年金口座へ資金を移転することができます。

良い商品選びも大切ですが、まずは税制メリットがある制度の活用を検討してはいかがでしょうか?特に所得税率が高い方にとっては運用益以上のメリットを得ることができるケースがあります。

この記事では、所得控除による貯蓄と課税後の資金で貯蓄する場合の違いをシミュレーションしてみます。ご自身の場合はどの程度の節税効果があるか確認してはいかがでしょうか?

税率を確認する

下記は所得税の速算表です。所得金額が高くなるにしたがって税率が高くなります。所得控除は税率が高い部分から利用するので税率が高い方にとっては大きなメリットがあります。実際にはこのほかに住民税10%があります。

個人開業医の方は事業所得から経費・控除を引いた金額が課税所得になります。
医療法人の理事の方は理事報酬から控除を引いた金額が課税所得になります。

所得税速算表(国税庁HP 2018年11月現在)
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

課税所得2000万円のシミュレーション

課税所得2000万円のドクターが所得控除を利用し貯蓄(投資)した場合とそうでない場合を比較してみます。

国税庁の所得税率表によると、課税所得2000万円の税率は40%になります。ここでは住民税10%を加えた50%で計算してみます。

(ケースA)所得控除を利用しないで年間50万円を貯蓄(投資)した場合
20,000,000×50%-2,796,000=7,204,000・・・税額
20,000,000-7,204,000=12,796,000・・・税引後の手取り
税引後の12,796,000円から50万円を貯蓄(投資)に回す
12,296,000円の現金(生活費、教育費、借入返済など)と50万円の貯金(投資)

(ケースB)所得控除を利用して年間50万円を貯蓄(投資)した場合
20,000,000円-500,000円=19,500,000円・・・所得控除なので課税所得が減る
19,500,000円×50%-2,796,000=6,954,000円・・・税額
19,500,000-6,954,000=12,546,000・・・税引後・貯蓄(投資)後の手取り
12,546,000円の現金(生活費、教育費、借入返済など)と50万円の貯金(投資)

どちらのケースも貯蓄(投資)額は同じ50万円ですが、所得控除を利用したケースBの場合、手元に残る貯蓄(投資)以外の現金が25万円(=税額)多くなります。金利や運用収益に比べ税率は大きいので効果が大きくなります。

ケースAの利回りは、文字通り貯蓄(投資)した商品の利回りになります。一方ケースBは、50万円の貯蓄(投資)に対して商品の利回りプラス25万円(50%=税率)の利回りと考えることもできます。

このケースでは、年間25万円の節税効果がありました。仮に同様の効果が20年継続すると仮定すると、総額で500万円の節税になります。

確定拠出年金の加入限度額(2018年11月現在)
確定拠出年金(個人型) 確定拠出年金(企業型)
個人開業のドクター
(1号被保険者)
816,000円 加入できない
医療法人の理事長・理事
(2号被保険者)
276,000円 660,000円
(年額)

ご自身の場合にはどの程度の節税効果があるのか一度確認してみてはいかがでしょうか?